阿波郷土料理『おみいさん』

  徳島伝統の食事に「おみいさん」があります。 
人の名前じゃないですよ。

 炊いたご飯の中に味噌とダシ(イリコ)、溶き卵、そして季節の具材(あまり多く入れ過ぎないのがコツ)を一緒にして炊き込んだものが「おみいさん」です。もちろん家庭により様々なこだわりがありますから、家によっても違ってきます。

農繁期の忙しい時期などは特に簡便で健康に良く三拍子揃った料理です。鍋の底に付いた「おこげ」(焦げ目のついたもの)の味も旨味があって風味良く、この食味が大好きです。
現代では食卓にのぼる回数が減りましたが、乳幼児から老人(歯が亡くなった方まで)まで消化吸収が良く栄養のバランスのとれた重宝なものです。

阿波(徳島)の古人が生活の中から編み出した知恵ある食事の好例です。 

 グローバル社会の現代では世界中から情報が洪水のように降り注がれ、食事もその例外ではありません。世界中のメニューがどんどん持ち込まれ、その中から取捨選択されて、日本人にあったものに作り変えられ進化させて尚且つ生き残ったものがこれからの新しい日本の食文化として登場してくる事が予想されます。

核家族化した現代社会では「おみいさん」を知る世代と知らない若者世代が離れ離れで、ややもすると伝えられず忘れ去られる運命に有ります。是非残して欲しい一品です。

「おみいさん」は味噌の香りが程よく混ざり合い、ご飯がまろやかで、季節ごとの食材の風味が融け合って食欲をそそる「おふくろの味」です。

四季の暮らしにまろやかな味を一品添えてみませんか。ぜひ一度「おみいさん」をお試し頂ければ幸いです。 

伝統食材クリエーター にい きよ

伝統米の栽培を生業とし、伝統食クリエイターとして日本の伝統食材の魅力を発信しています。1300年の歴史を受継ぐ伝統黒米『弥生紫(やよいむらさき』を継承する12代目農家です。

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