甘い稲葉の味をあじわう

田植えの準備がはじまる春。
バタバタと忙しない日はあっという間です。

6月にもなれば、風が稲の上を走ってくると稲の香がするんです。
それぞれのお米の品種ごとに炊いて食べると味も香りも違いますが、
葉っぱの上を通ってやってくる風もその香に染められています。
稲穂が実るまでの葉っぱは、
噛むと甘い味がするんですよ。
私はその味が好きで、葉を噛み その年の米の味を推測するんです。
にじみ出る味には青さと甘さが混じり合います。

その葉っぱの栄養を米一粒にぎゅっと詰め込んでできるお米のすごさ。
実がなると 葉の味はしないんです。
これってすごいです。
全身全霊で注ぎ込まれた愛情みたいなもんです。
次の未来を託された種。
その種を食べるのは私たちです。
照りつける太陽であっても、稲の足元は冷たい水で満たされている。
厳しい自然のなかで風雨にさらされながら、自然に癒されながら。
頑張る稲は
目には見えない速度で、でも確実に大きく成長しています。
気づいた時には稲穂が顔を出し、実りにむかって邁進しています。

私たち人間も、個人の頑張りはなかなか人には見えなくてわかりづらいけど、
頑張った分はきっと実ります。
と、信じてます。

・・・あ、でも、もし台風が来たら1回くるごとに収量30%減だわ。(伝統品種なので実が落ちやすい)
台風銀座と呼ばれる徳島で、
台風にもまけず収穫までこぎつけれるのか?!
私たちの苦労は報われるのか?!
心配してもはじまらない。
やるべきことをするだけ。

目的はただ一つ。
新米を食べる日をたのしみにしてる。

伝統食材クリエーター にい きよ

伝統米の栽培を生業とし、伝統食クリエイターとして日本の伝統食材の魅力を発信しています。1300年の歴史を受継ぐ伝統黒米『弥生紫(やよいむらさき』を継承する12代目農家です。

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