藍の活用と楽しみ
藍は、穂状の赤い小花をつけるタデ科の一年生の植物です。
茎や葉からとれる青色染料は昔から人々の生活に密着し、衣服を染め、薬としても活用されてきました。
江戸時代後期に、化学染料が輸入されるようになり、藍は衰退の一途をたどりました。
今の私達が昔ながらの藍を愛で楽しむことができるのは、職人のたゆまぬ努力と強い想いで種と技法が守られたおかげです。
東京五輪・パラリンピックのエンブレムに藍色が採用されたことを受け、藍に注目が集まっています。
これを機会に、藍の活用が広がり、ブームで終わることなく人々の中に息づいていくようにみんなで大切に育てていけると良いなぁと願っています。
染める
・生葉で染める
生葉染めは、収穫したばかりの葉をミキサーなどで粉砕し、その液で布を染めるやり方です。収穫してすぐに染めを始められるのが長所です。ただ、染められる色は薄い水色になります。
ミキサーで粉砕する以外には、生葉を布に置き、木槌などで叩いて汁を出し染める方法です。葉っぱの形の可愛い優しい水色に染まります。
・宿毛(すくも)で染める
藍を収穫し、葉と太い茎の部分をわけて乾燥させ、発酵させる作業(寝せこみ)に約100日、まさに種まきから300日かけて作り上げる宿毛(すくも)づくりです。
以前、宿毛の発酵段階を見せて頂いたことがありますが、ムッとするような温かい部屋に大きな藍の葉の山があり、独特の香りがします。
水が多すぎても少なすぎてもいけない熟練の技で、藍の色素を最大限に利用できる染料に変わっていきます。
私はお米作りをしていますが、肥料に落ち葉を発酵させたものを使用しています。
落葉の発酵は代々我が家で行ってきた農作業なのですが、宿毛づくりと共通する所があり、職人さんと『葉っぱの発酵』について意気投合でありました。
藍の色素は本来は水に溶けない性質を持つのですが、発酵や媒染の過程を経ることで布に染められるようになります。藍と言ったらこれだろう!というイメージ通りの濃い色に染めるには、宿毛の力が必要となります。
宿毛が出来るだけでは、まだまだ藍染めは出来上がりません。
藍を建てるという工程が必要です。
これを書き続けると長くなりますね・・・。
後日追記していきたいと思います。
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